さびしさを すてむと入りし 白樺林
かえらざる 夢のきれぎれ
わくら葉を ほのかに鳴らし
わびしさを いよよ重ぬる
白霧よ まつげぬらして
ひえびえと ゆくか いづこへ
つれなさを 逃(の)がれて出でし 白樺林
かえり来ぬ ひとのおもかげ
曇に鳥 かそかに鳴かせ
嘆かいを いよよ深むる
眉月よ 青き愁いを
さえざえと 消すか いつの日
中山 輝 明治三十八年富山県生まれ、早大中退。昭和二年日本海詩人を創刊。昭和五年「詩と民謡」を創刊して今日に及ぶ。詩集、童謡集、民謡集などあり。
掲載誌:『日本歌謡詩選』 第八集 68ページ