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「蛙がないてる―藤沢衛彦先生に捧ぐ―」


蛙がないてる 沼田で よ
踏まれ 蹴られて ぎゃく ぎゃく と
昔の昔の その昔
爺さ 婆さが 子供のころも
そのまた昔の そのままの
同じ声でよ ぎゃく ぎゃく と
      ぎゃく ぎゃく と よう

蛙がないてる 遠くで よ
くらい どこかで ぎゃご ぎゃご と
昔の昔の 大昔
誰も 一人も 居もせぬころ
そのまた昔の そのままの
同じ顔でよ ぎゃご ぎゃご と
      ぎゃご ぎゃごと よう

蛙がないている 谷間で よ
親子そろうて げく げく と
やがての やがて そのやがて
誰も みんなが いやせぬ頃も
昔の昔と 同じよに
ないているだろ げく げく と
        げく げく と よう

掲載誌:『日本歌謡』 昭和37年11月 3ページ