「山と谷」

うちらに少しももっていないから背伸びをして虚勢を張っている山

いっぱいもっているので
少しでも気づかぬように注ぎこんでやろうとしながら
山に気ままをさせて
光をもてあましている谷
(40・3・25駒込―上野)

掲載誌:『詩と民謡 北日本文苑』第23巻 六月号 復刊55号 通巻155号 1965
北日本文苑詩と民謡社