①
ドドンが ドンときて ドンと おどる
浪よ どこから 来たのかよ
ここは さいはて 北の国
はまなすの花 ふるえて 咲いて
しぶきに ぬれちゃ
ひとしれず ちっていく
②
ドドンが ドンときて ドンと はねる
浪よ 別れは せつないな
ゆめのさいはて 北の国
ばらいろの雲 おもかげ 抱いて
ひぐれにゃ 燃えちゃ
ひとしれず とんでいく
③
ドドンが ドンときて ドンとかえる
浪よ ふるさと 恋しいな
さらば さいはて 北の国
あのひとの名を なぎさに かいて
さぎりに 消しちゃ
ひとしれず 泣いていく
―三六、六、一七夜 連作の一つ―
掲載誌:『詩と民謡 北日本文苑』第21巻 十月号 復刊38号 通巻138号 1963 北日本文苑詩と民謡社