民謡

「ドドンがドンときて(歌謡)」


ドドンが ドンときて ドンと おどる
浪よ どこから 来たのかよ
  ここは さいはて 北の国
  はまなすの花 ふるえて 咲いて
  しぶきに ぬれちゃ
  ひとしれず ちっていく

ドドンが ドンときて ドンと はねる
浪よ 別れは せつないな
  ゆめのさいはて 北の国
ばらいろの雲 おもかげ 抱いて
  ひぐれにゃ 燃えちゃ
  ひとしれず とんでいく

ドドンが ドンときて ドンとかえる
浪よ ふるさと 恋しいな
  さらば さいはて 北の国
  あのひとの名を なぎさに かいて
  さぎりに 消しちゃ
  ひとしれず 泣いていく
―三六、六、一七夜 連作の一つ―

掲載誌:『詩と民謡 北日本文苑』第21巻 十月号 復刊38号 通巻138号 1963 北日本文苑詩と民謡社