むなしさから固定へ傾く遁走
いや 転落を阻もうとする階層の積み重なりだ
有限から永遠へ羽ばたこうとして
ぎりぎりの哀しさを歪めている限界
ずりさがる天を支えて天ノ邪鬼が立ちはだかる露(あら)わな必死
光がよぎる
鳥が失せる
風が遠さをよぶ
海はわずかにいらだって歯を鳴らす
それで 時間がいつもこの坂に貼りついたままだ
だから 宇宙が逆さにてっぺんを潜り込ませてくるのは きまって夜なのだ
掲載誌:『詩と民謡』1960年9月号 18巻9号
掲載日:1960.9.1
むなしさから固定へ傾く遁走
いや 転落を阻もうとする階層の積み重なりだ
有限から永遠へ羽ばたこうとして
ぎりぎりの哀しさを歪めている限界
ずりさがる天を支えて天ノ邪鬼が立ちはだかる露(あら)わな必死
光がよぎる
鳥が失せる
風が遠さをよぶ
海はわずかにいらだって歯を鳴らす
それで 時間がいつもこの坂に貼りついたままだ
だから 宇宙が逆さにてっぺんを潜り込ませてくるのは きまって夜なのだ
掲載誌:『詩と民謡』1960年9月号 18巻9号