「宇宙はてなく」


宇宙はてなく ひろがる中を
どこへ飛んでく おいらの地球
遠く ちらちら またたく星は
別に 群がる 太陽だそうな
 ああ あそこには 死んだおやじが いるだろな

宇宙こえなく 静まる中を
どこへいくのか おいらの太陽
はるか ちくちく まばたく星に
別の 地球が ついてるそうな
 ああ あそこには 死んだおっかが いるのかな

宇宙きりなく ひろまる中を
どこへ飛ぶのか おいらの銀河
かすか ちかちか きらめく星は
別に 渦まく 銀河だそうな
 ああ あそこには 死んだあいつが いるだろよ

―昭和33・6・21未明―

掲載誌:『詩と民謡』1962年11月号 20巻6号