「交声組曲「高志のうた」より」

童謡「てんてん、てんまり」

てんてん てんまり 天へいく
てんてん 雄山の てっぺんで
てんてん おてんと あびながら
てんてん うとうと 一ねむり
          一ねむり

てんてん てんまり どうしたの
てんてん 雄山の てっぺんで
てんてん おねんね それっきり
てんてん 小石に なったとさ
         なったとさ

てんてん てんまり 守りしてる
てんてん 雄山の てっぺんで
てんてん おてんと あびながら
てんてん 子どもが 遊ぶのを
          遊ぶのを

中山輝 作詩
黒坂富治 作曲

唱歌「高志の四季」
春 青い雲よぶ 立山は
  希望の光 かざしてる
  雪どけ水は 喜びに
  伸びよ咲けよと 歌うてく
   伸びよ咲けよと 歌うてく
夏 白い雲わく 有磯海は
  新たな潮(うしお) 鳴らしてる
  稲うつ風は さわやかに
  明日よ 映えよと はやしてく
   明日よ 映えよと はやしてく
秋 金の雲よぶ 富山野は
  豊かなみのり たたえてる
  旅いく鳥は しあわせに
  みなと富めよと 祈ってく
   みなと富めよと 祈ってく
冬 銀の雲照る ふるさとは
  ほまれの歴史 誇ってる
  逆まく雪は すこやかに
  子らよ 耐えよと 呼んでいく
   子らよ 耐えよと 呼んでいく

短歌「光呼ぶ」
光呼ぶ 立山父に 幸寄する
有磯海母に 栄ゆる高志国(こしくに)

立山は 高志のふるさと 遠御祖(とおみおや)
神さながらに 同胞(うから)守(も)り在(ま)す

小曲「諸人(もろびと)ぞ、今」
青丹(に)よし 奈良の都を
離(さか)り来し 家持の卿(きみ)
馬並めし 高志栄えきて
代々の跡 挙(こぞ)り恋い嗣(つ)ぐ
諸人ぞ 今

有磯海(そみ)を こえて経(へ)めぐり
外国(とつくに)の 人のいのちも
救いゆく くすりの都
礼(あや)なして 挙(こぞ)り集うか
諸人ぞ 今

終曲行進歌「翔けよ時代を」
一 蒼窮(そうきゆう)劃(かき)る 立山冴えて
  千古不滅(せんこふめつ)の 啓示(さとし)を翳(かざ)す
  燦然(さんぜん)ここに 伸びゆく郷土
  希望を招く 前途(ゆくて)遙かに
  起ていざ 理想の旗高らかに
  搗(つ)けよ暁鏡(きようしよう) 爽(さや)かに清く
  栄光(はえ)あり 自主のわれらと共に
  誉の歴史 後に続かん

二 新潮(にいじお)寄する 有磯海映えて
  萬波不屈の 力を鳴らす
  凛然(りんぜん)さらに 栄ゆく祖国
  世紀を開く 光新たに
  行けいざ 苦難の道晴れやかに
  遂げよ使命を 鮮(あざ)かに聡(さと)く
  夢あり 若きわれと常に
  聖なる功 永久に香らん

三 文明燃ゆる 青雲(せいうん)こえて
  五洲悲願の 平和を咲かす
  渾然(こんぜん)今に 輝く世界
  宇宙を呼べり 自由豊かに
  蒔(ま)けいざ 誠の種子健やかに
  翔(か)けよ時代を 朗らに猛く
  明日あり 強きわれとまさに
  誇のいのち 歌に躍(おど)らん

掲載誌:『詩と音楽と美術の集い』