たまに覗きにきた太陽と
病みほほけた兒は遊んでゐる
こぼれるひかりを掬つては
兩掌(て)をたたいて笑つてゐる
こんな部屋でも
たまにくるとなつかしいのか
太陽も 兩手をさしのべて
母親(おや)のない兒を撫でてゐる
掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 86ページ『出顯』
掲載日:1930.9.1
たまに覗きにきた太陽と
病みほほけた兒は遊んでゐる
こぼれるひかりを掬つては
兩掌(て)をたたいて笑つてゐる
こんな部屋でも
たまにくるとなつかしいのか
太陽も 兩手をさしのべて
母親(おや)のない兒を撫でてゐる
掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 86ページ『出顯』