「ごみだめ」

可憐(いじ)らしく 小さい花をつけてゐる一條(すぢ)の草
どこからかしきりとかよふ蜂

こんな 忘られたごみだめにも
つつましい營み
やさしいなぐさめがあつたのか

掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 85ページ『出顯』