「火華」

かちッ と觸(ふ)れ
双の石
せんせん 青い火華(ひばな)散らした

内に在(あ)るもの
潜むもの
ふと出現(あら)はれたのだ
燃えたのだ

掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 82ページ『出顯』