「堤にて」

割れた石ころ

すい……と抛(な)げたら
一つ 一つ 違つた音たて
水に沈んだ

石ころさへも二つになれば
ああも違はねばならぬのか

掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 80ページ『石』