「一群」

つづいては絶え 絶えてはつづき
みんないそいそ吹かれていつた

どこもかも ひかりばかし……
いつてもいつても限(きり)がないので
ひつかへしたり 佇んだりしてゐた雲――

空の奥から
誰か手招(たまね)くのをかんじ
暗いなかにやつとゆくてがみつかつたのだ

――翌朝(あした)
からり 青いそら
だだつぴろく おごそかな

掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 52~53ページ『ふるさとの顔』