「光」

おれは影というものを見たいと

朝から晩まで

この小石のめぐりを廻ってみている

だけど この小石は自分の影をかばって見せてくれない

なぜ おれを光に生んでくれたのかよ

遠いところで 眩しがらせている丸顔のお母さんよ

掲載誌:『壺』 昭和49年7月 2ページ