「石と草と」

石は天へ消えた
天は石だらけだ
石に縋っていた草も風の奧へ消えた

石と草は永劫の中に座を占めた
そこには虚しいけれど真実だけが満ち輝いている

石も草も はじめから石や草でなかったのだ
(三七、四、四 車中)

掲載誌:『詩と民謡』1962年7月号 20巻4号