背は白い眼にさらされ通し
とうとう 眼を失ってしまった
いつも暗さにむかわされる
たまに光にあわされると
誰かに撫でられているように ほくほくし
つい うとうと してしもう
荷がおろされたと思ったら
とたんに草の冷たさに重ねられた
すべてを支えさせられて――
やがて坂をひっそりと下りていく背
その痩せた背に
白い小さな蝶がいつのまにかそっと乗っかっていた
掲載誌:『詩と民謡』1960年8月号 18巻8号
掲載日:1960.8.1
背は白い眼にさらされ通し
とうとう 眼を失ってしまった
いつも暗さにむかわされる
たまに光にあわされると
誰かに撫でられているように ほくほくし
つい うとうと してしもう
荷がおろされたと思ったら
とたんに草の冷たさに重ねられた
すべてを支えさせられて――
やがて坂をひっそりと下りていく背
その痩せた背に
白い小さな蝶がいつのまにかそっと乗っかっていた
掲載誌:『詩と民謡』1960年8月号 18巻8号