「なア嘉一」


みんなこの馬鹿 すてていく
もっと苦しめ 泣いてろと
重荷おわせて 笑ろていく
 星もみえない この都
 おれの骨まで 凍(こお)らせる
  なんで泣かせる なア嘉一
  おれの気持を 知ってたくせに

みんないそいそ 死んでいく
うんと悶(もだ)えろ 耐えてろと
仕事残して 笑ろていく
 月もみえない この都
 おれの涙も 凍らせる
  なんで死んだか のう嘉一
  おれは怨むぞ 追いつく迄は

掲載誌:『詩と民謡』1970年1月号 28巻1号