「轉落する石」

ふとした機勢(はずみ)で靴(くつ)に蹴られ
?(いただき)から堕(お)とされた

ころがりながらそらをみかへり
谷底めがけ堕(お)ちてゆく

一すじの草にすら縋つたが

それからも突き放され
暗い 暗い どん底へ
傷ついてころげゆく

激しく 寂しく
嗚咽しながら……

(註)本文中「山」+「?」だが、「いただき」の読みの漢字は「?」

掲載誌:『石』 中山輝詩集 昭和5年9月 76~77ページ『石』